京都の話いろいろ
京都の生活、グルメ
16号
いつもありがとうございます。
京扇子の井ノ口松寿堂の井ノ口です。
暑い日が続きますが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
●「夏をむねとす」として建てられた京の町家
と言われ、冬は寒いですが、
夏は涼しく過ごせるように工夫がしてある
『 町家 』についてふれてみたいと思います。
盆地なんで、蒸し暑いことで知られる京都ですが、
町家では、
細長い通り庭、台所の吹き抜け(火袋)、坪庭が基本あります。
何げないスペースのようですが、先人たちの知恵が詰まっていて、
採光をよくするとともに、風の通り道としての役割も果たしています。
それと、
夏になると、
軒先にはすだれをかけて直射日光をさえぎり、
部屋の床は、ひんやりした網代敷(籐)、
襖は風通しの良い御簾障子、
座敷では目にも涼しげな屏風や軸も夏仕様のものにかえます。
ようは、家の衣替えです。
そして
朝夕の涼しい時に打ち水をすると、
家の中を涼しい風が通り抜けるのです。
ちょっと余談になりますが、
京都の特に町中では、かどはきと水まき(打ち水)は
毎朝の大切な仕事です。
夏場は涼しくするために、夕方も水まきをします。
ここがポイントなんですが、
「かどはき」と「水まき」を行うのは自分の家の前だけです。
隣の家の前まではしません。
隣の家の前までしてしまうと
隣の人が「私の家の前が汚いから、お隣がそうじしゃはった」
といやみに取られかねないからです。
それと
あまりにも境界線まできっちりだと
これまた、自分さえよかったらええんかと
思われそうです。
ですから、
境界線から少し隣側まで
かどはきします。
微妙です。
これには、みんな暗黙の了解があります。
このへんが、京都人の他から見た
むずかしいところですかねぇ。
話がそれてしまいましたが、
なにわともあれ、
暑い夏、先人たちの知恵が詰まっている町家暮らしも参考に、
エアコンに頼らずとも涼しく暮らしたいですね。
●その次はやわらかい話題に・・・
最近、何回も目にしたんですが、
デパ地下で
よく行列ができている店が目につきました。
食べログでも紹介されたと聞き、
それで急に人が増えたかも知れません。
以前にもこのお便りで紹介したことがあるのですが、
それは、
『 阿闍梨餅 』
です。
しっとりとした皮とあっさり風味の餡が見事に調和した逸品
と言われており、
うす茶色に焼けた皮が見ただけで
早く食べたいなって気持ちにさせます。
中は、あんまり甘くないつぶあんです。
丹波の大納言小豆だそうです。
一口食べると
お正月に食べるお餅のように
引っ張られて伸びて、すぐにちぎれないような感じです。
弾力があります。
ボヨ~ん、ぼよよ~ん。
この食感が、このお菓子のおいしさの秘密だと思います。
食感がいいのはホントおいしいですね。
個包装されていて、
手土産にもいいと思います。
本店は、京大の近く、百万遍の交差点を西に入って一筋目上がったところです。
京菓子司 満月
075-791-4124
お手ごろな値段で、 1個 105円です。
昔ながらのなつかしい味、ぜひ一度食べてみてください。
一部の百貨店でも買えます。
話がいつものごとく、バラバラになってしまいました。
これからも、まだまだ暑さが続くと思います。
どうぞご自愛ください。